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ハシビロコウの餌は?好物の肺魚と、食べ方・食べる量

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ハシビロコウの餌は、ほとんどが魚です。好物の肺魚(ハイギョ)のように、息をしに水面へ来る魚を待ちぶせして捕まえます。

あらすじ

この記事では、次の12項目を順に説明します。

  1. ハシビロコウの餌は何?
  2. ハシビロコウのいちばんの好物は?
  3. ハシビロコウの餌は国や湿地で違う?
  4. ハシビロコウは1日にどれくらい食べる?
  5. ハシビロコウは餌をどうやって食べる?
  6. ハシビロコウの餌はほかの鳥に取られる?

ほか6項目は下の目次から。

大きな魚をくちばしにくわえたハシビロコウ
大きな魚をくちばしにくわえたハシビロコウ写真: Jakub Bartler / CC BY-SA 4.0
目次
  1. ハシビロコウの餌は何?
  2. ハシビロコウのいちばんの好物は?
  3. ハシビロコウの餌は国や湿地で違う?
  4. ハシビロコウは1日にどれくらい食べる?
  5. ハシビロコウは餌をどうやって食べる?
  6. ハシビロコウの餌はほかの鳥に取られる?
  7. ハシビロコウはどんな場所で餌を探す?
  8. 動物園のハシビロコウは何を食べている?
  9. ハシビロコウのヒナは何を食べる?
  10. ハシビロコウの餌の取り方は、ほかの水鳥とどう違う?
  11. ハシビロコウの餌と湿地はどうつながっている?
  12. 出典

ハシビロコウの餌は何?

ハシビロコウの餌は、ほとんどが魚です。肺魚(ハイギョ)やナマズの仲間をよく食べ、カエルやヘビも食べます。

水辺にすむ大きな鳥の多くは、魚を主な食べものにしています。ハシビロコウもその1つです。ミシガン大学の動物図鑑(Animal Diversity Web)は、主な獲物として次の5つを挙げています。

ハシビロコウの主な餌どんな生き物?
肺魚(ハイギョ)肺で空気を吸う魚。好物として知られる
ポリプテルス古い時代の姿を残す魚。英語では bichir。セネガルビチャーなど
ナマズの仲間体がぬるぬるした魚。地域によっては主食
ティラピアアフリカの湖や沼に多い魚
水へび水辺にすむへび

このほか、カエル、オオトカゲ、カメ、ワニの子、貝、動物の死がいを食べた記録もあります。アメリカのダラス・ワールド・アクアリウムは、ネズミや小さな鳥を食べることもあると紹介しています。

日本の上野動物園の動物図鑑でも、食べものは肺魚やナマズなどの魚と、両生類(カエルの仲間)と説明されています。

ハシビロコウのいちばんの好物は?

いちばんの好物は、肺魚(ハイギョ)だとされています。2016年にザンビアでの観察を報告した論文も、ハシビロコウは肺魚を好むとまとめています。

よく名前が出るのは、マーブルド・ラングフィッシュ(Protopterus aethiopicus)という肺魚です。東アフリカの湖や沼、ナイル川やコンゴ川の流域にすんでいます。

肺魚は、えらのほかに肺をもち、水面に口を出して空気を吸います。そのため、どうしても水面へ上がってくる瞬間があります。待ちぶせで狩りをするハシビロコウには、ねらいやすい魚です。

マーブルド・ラングフィッシュは、大きいものでは全長2m・17kgの記録がある魚です(FishBase)。もちろん、ハシビロコウがそんな大物ばかりを捕るわけではありません。

乾季になると、アフリカの肺魚は泥の中にもぐって眠ったようにすごします。ズータンパの2010年の報告には、大きなくちばしは泥の中で眠る肺魚を掘り出すのに使われるのかもしれない、と考える研究者もいると書かれています。

肺魚の体のしくみや、乾季を泥の中でやりすごす「夏眠(かみん)」のことは、ハシビロコウの好物、肺魚とはでくわしく紹介しています。

大きな魚をくちばしにくわえたハシビロコウ
大きな魚をくちばしにくわえたハシビロコウ写真: Jakub Bartler / CC BY-SA 4.0

ハシビロコウの餌は国や湿地で違う?

違います。同じハシビロコウでも、すんでいる湿地によって、よく食べる魚が変わります。

場所分かっていること
ザンビア(バングウェウル湿地)捕まえた獲物の71%がナマズの仲間(クラリアス属)
タンザニア(マラガラシ湿地)獲物は、同じ湿地のサンショクウミワシ(ワシの仲間)の獲物より大きかった
アフリカの湿地全体のまとめ肺魚を好み、ポリプテルス・ナマズ・ティラピアも食べる

ザンビアで多かったクラリアス属は、ヒレナマズとも呼ばれる仲間です。代表的な種類の Clarias gariepinus は、魚の図鑑データベース FishBase によると、空気を吸うための補助の器官をもっています。

この魚は、浅くて泥の多い湿地を好みます。最大で全長170cmの記録があります。

コウくん

ここからはコウくんの推測です。肺魚も、ザンビアでよく食べられていたナマズの仲間も、空気を吸える魚です。水面に顔を出す魚ほど、じっと待つハシビロコウには見つけやすいのかもしれません。好物は「魚の種類」より「空気を吸いに来る魚」とまとめられるのかも。

ハシビロコウは1日にどれくらい食べる?

1日に食べる量(グラム数)を測った研究は、探した範囲では見つかりませんでした。分かっているのは、獲物を捕まえるペースです。

ザンビアのバングウェウル湿地で、野生のハシビロコウを合計170.1時間観察した研究があります(2015年発表)。

  • くちばしを突っこむのは、平均で約2.2時間に1回
  • 獲物を捕まえるのは、平均で約8.3時間に1匹
  • 繁殖期以外は、くちばしを突っこんだ70回のうち16回で成功

8.3時間に1匹なら、朝から夕方まで狩りをしても、捕れるのは1匹か2匹です。人の感覚では、かなり少ない食事に見えます。

ほかの大きな水鳥と比べてみます。モモイロペリカンは、1日に1.45〜2.25kgの食べものをとると見積もられています(ミシガン大学の動物図鑑)。ペリカンは群れで魚を追いこみ、たくさんの魚をすくいとる鳥です。

ハシビロコウは餌をどうやって食べる?

捕まえた獲物は、丸のみにします。多くの場合、飲みこむ前に獲物の頭を落とします。

ハシビロコウの狩りは、待ちぶせです。浅い水辺でじっと立ち、獲物が近くに来ると、頭と首を一気に水へ突っこみます。くわしい流れはハシビロコウの狩りで紹介しています。

捕まえたあとの食べ方は、ミシガン大学の動物図鑑に次のように書かれています。

  1. 獲物といっしょに、水草も口いっぱいにくわえる
  2. 獲物をくわえたまま、頭を左右に振って水草だけを落とす
  3. 多くの場合、獲物の頭を落としてから飲みこむ

タンザニアのマラガラシ湿地の研究(2019年)では、獲物を食べ終えるまでの時間は平均で約6.9分でした。大きな魚を丸のみにするには、それだけ時間がかかるのです。

上野動物園の動物図鑑も、魚を素早くとらえて丸のみにすると説明しています。くちばしのふちで魚をはさむ形は、ハシビロコウのくちばしで紹介しています。

コウくん

ここからはコウくんの推測です。1日に1〜2匹でもやっていけるのは、1匹が大きいからかもしれません。タンザニアの研究では、ハシビロコウの獲物はワシの獲物より大きく、食べ終わるまで平均で約7分かかっていました。大きな魚を1匹ずつ、がハシビロコウ流なのかも。

ハシビロコウの餌はほかの鳥に取られる?

取られることがあります。タンザニアでは、サンショクウミワシがハシビロコウの獲物を横取りしていました。

同じ2019年の研究では、ワシの横取りは138回すべて成功しました。横取りは、水の少ない乾季に多く起きていました。ハシビロコウは、やり返さなかったと報告されています。

研究者は、食べ終わるまでの時間の長さが、ワシにとって得になっている可能性を挙げています。くわしくはハシビロコウの狩りをごらんください。

ハシビロコウはどんな場所で餌を探す?

浅い水と背の高い草がある湿地です。酸素の少ない水では、魚が息をしに水面へよく上がってきます。

ミシガン大学の動物図鑑によると、狩りにいちばん向くのは、浅い水に背の高い草がしげる場所です。草が体をかくしてくれます。水が深い場所では、しっかりした浮き草の上に立って狩りをします。

ダラス・ワールド・アクアリウムも、ハシビロコウは酸素の少ない水で餌を探すと紹介しています。酸素が少ないと、魚は水面へ出てくる回数が増えるからです。

ザンビアの研究では、狩り場によって捕れる数も違いました。

  • 水につかった草原:1時間あたり0.29匹
  • 浮き草の上:1時間あたり0.10匹

すみかの湿地のことはハシビロコウの生息地とハシビロコウの湿地帯で紹介しています。

動物園のハシビロコウは何を食べている?

動物園では、魚を中心に与えています。どんな魚かは、国や施設によって違います。

施設(国)公式・記録で分かる餌のこと
ズータンパ(アメリカ)親にマス、カラフトシシャモ、スメルト(キュウリウオの仲間)。池に放したティラピアを自分で捕ることも
パイリ・ダイザ(ベルギー)食べものとして、魚、ヘビ、カエル、オオトカゲやワニの子どもを紹介
マンダイ・バードパラダイス(シンガポール)2006年生まれのゼインは、15cm以下の小さな魚を好む
泗川アラマル水族館(韓国)オスのビルに、午前10時30分の生態説明会で餌をあげている
上野動物園(日本)給餌のあとの朝は、歩いたり翼を広げたりする姿が見られることがある

日本の動物園で、毎日の餌の種類や量を公式に出している例は、探した範囲では見つかりませんでした。

くちばしを大きく開けたハシビロコウ(あくび)
くちばしを大きく開けたハシビロコウ(あくび)写真: Olaf Oliviero Riemer / CC BY-SA 3.0
コウくん

餌の時間の前後は、ハシビロコウが動く姿を見られるチャンスです。時間は施設ごとに違うので、公式情報で確かめてね。

ハシビロコウのヒナは何を食べる?

ヒナも魚を食べます。親が捕った獲物を巣に運んで与えます。動物園の記録では、親が吐きもどして与えていました。

ザンビアの野外調査では、親が巣のヒナに獲物を運ぶのは1日に約1.2回でした。ヒナが生まれてから約40日間は、親はほとんど巣のそばを離れませんでした。

動物園での記録もあります。アメリカのズータンパ(当時の名前はローリーパーク動物園)は、2009年12月に北米で初めてハシビロコウのヒナがかえった施設です。2010年の報告に、そのときの餌が細かく書かれています。

時期ズータンパで与えた餌
ヒナが生まれて最初の8週間親にマスやカラフトシシャモを、頭・尾・えらを取ってから与えた。親が吐きもどす餌を、ヒナが消化しやすくするため
同じころヒナには、細かく切ったネズミの子も与えた
8週間より後親にもヒナにも、マス・カラフトシシャモ・スメルトを丸ごと与えた

ヒナの育ち方はハシビロコウの赤ちゃんで、卵が2個でも1羽しか育たないことが多い理由はハシビロコウの兄弟で紹介しています。

ハシビロコウの餌の取り方は、ほかの水鳥とどう違う?

じっと待つところはサギと似ています。違うのは、体ごと倒れこんで捕り、大きな魚を時間をかけて丸のみにするところです。

鳥主な餌取り方
ハシビロコウ肺魚・ナマズなどの魚立って待つか、ゆっくり歩く。体ごと倒れこんで捕る
アオサギ魚、昆虫、エビ・カニの仲間、カエル浅い水でじっと立って待ち、一気に飲みこむ
ゴライアスサギ(世界最大のサギ)魚を好む。死がいやカエルも食べる長い脚で水に立ち、獲物が近づくのを待つ
モモイロペリカン1匹300〜600gの魚最大20羽ほどでV字に並び、魚を追いこんですくう
アフリカハゲコウ動物の死がいが中心魚やは虫類、バッタなど生きた獲物も食べる

数字と説明は、どれもミシガン大学の動物図鑑によります。アオサギは、捕った獲物を一気に飲みこみます。ハシビロコウは、食べ終わるまで平均で約6.9分かかります。モモイロペリカンは、巣のある場所から60〜100km飛んで餌をとりに行くこともあります。

ポイントはここです。ハシビロコウは、ひとりで待ち、大きな魚を1匹ずつ捕る鳥です。

ハシビロコウとサギ・コウノトリの違いは、ハシビロコウとコウノトリの違いでも紹介しています。

ハシビロコウの餌と湿地はどうつながっている?

魚がすむ湿地を守ることが、ハシビロコウの餌を守ることになります。

ウガンダのマバンバ湿地は、ハシビロコウの観察で知られる場所です。国際自然保護連合(IUCN)の専門家グループによると、この湿地は漁業、砂の採取、狩り、観光などで地元の人の暮らしも支えています。漁師は、ハシビロコウをおどろかせてしまう原因の1つにも挙げられています。

ウガンダにいるハシビロコウは、約150つがいと見積もられています。魚も、ハシビロコウも、地元の人も、同じ湿地を分け合って暮らしているのです。

減っている理由と守る取り組みは、ハシビロコウは絶滅危惧種とハシビロコウの保護で紹介しています。

出典

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